バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような一般的な特徴を、自分に当てはまると据えてしまう心理現象です。
バーナム効果を使う主な例として、占いや営業の場面が挙げられます。この記事では、バーナム効果の意味や由来、具体例についてお伝えします。
バーナム効果の例
バーナム効果を利用した代表的な例は、占いです。具体的には、個人の性格を診断する血液型占いがあります。
血液型占いでは、以下のような個人の性格が挙げられます。
A型 | 几帳面 |
B型 | 自己中心的 |
O型 | 大雑把 |
AB型 | 二面性がある |
これを見ると当たっているような気がする人もいるのではないでしょうか。なぜならば、誰にでも当てはまるような特徴を挙げているからです。仮に以下のようにしてみてはいかがでしょうか。
A型 | 二面性がある |
B型 | 几帳面 |
O型 | 自己中心的 |
AB型 | 大雑把 |
A型の人でも、几帳面だけど、自分の部屋は散らかっているなど二面性があると言えます。B型であっても、几帳面なところがあります。O型でも、自己中心的に考えることがあります。AB型は、ある時は大雑把なことをします。
つまり何となく当たっていると感じるのは、誰にでも当てはまるような特徴を書いているからです。これをバーナム効果と言います。
ちなみに血液型占いを信じる国民は日本くらいで、科学的な根拠はないそうです。
バーナム効果の由来と実験
1956年に心理学者のポールミルは、興行師フィニアス・テイラー・バーナムの言葉
「we’ve got something for everyone」(誰にでも当てはまる要点というものがある)
からバーナム効果と名付けました。バーナム効果は、別名フォアラー効果とも呼ばれます。アメリカの心理学者、バートラム・フォアの名前が由来となっています。
1948年にフォアによって行われた実験では、バーナム効果が明らかにされました。
この実験では、被験者に事前に性格診断のテストを行い、その診断結果だと伝えて渡しました。
あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。また、あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っています。外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。そのうえ、あなたは独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を聞き入れることはありません。しかし、あなたは他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。あなたは外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります。あなたの願望にはやや非現実的な傾向のものもあります。
(Wikipediaより転載)
何となく、読んでいるあなたにも当てはまる内容だったのではないでしょうか。これらは、多くの人に当てはまるような文章となっています。しかし実際に診断を行い、あなたのための結果ですと言って渡されることで、多くの被験者は自分のことだと考えてしまったのです。
バーナム効果と恋愛
バーナム効果を恋愛に使う場合は、相手との距離を近づけるために応用することができます。
初対面の相手だとしても、誰にでも当てはまるようなことを伝えることで会話をスムーズに運ぶことができるでしょう。また相手が何か悩みを抱えているようであれば、「人間関係で悩んでいますか?」など一般的に当てはまる言葉を伝えて、相手との距離を縮めることもできるでしょう。このテクニックは、恋愛だけではなく営業の場面でも使うことができます。
まとめ
バーナム効果は、誰にでも当てはまることを、自分のことだと据えてしまう心理現象のことです。バーナム効果がよく使われているのは、占いの世界です。占いを受ける場合は、バーナム効果が使われているかを確認して受けてみるのも良いでしょう。バーナム効果を応用することで、人間関係を良くしたりすることもできるので使ってみてはいかがでしょうか。