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OEM商品とは?今さら聞けないOEM商品の仕組みを解説

製品開発および商品開発を行うにあたってOEM商品というキーワードにあたることがビジネスの世界では数多く存在します。このOEM商品1体どのような商品なのでしょうか。

周りの人に聞いてみようにも、ビジネスを始めて社長になった立場からなかなか周りの人に聞くのも今更恥ずかしいという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、今更聞けないOEM商品の仕組みについて解説していきます。

OEMって何?

そもそもOEM商品とは一体どのような商品なのでしょうか。

これはオリジナル・エクイップメント・マニファクチャリングの略で、簡単に言ってしまえば商品を生産することができる工場を持つ業者が他の会社の商品を製品製造するという仕組みです。

例えば大手コンビニAのアップルジュースは同じく大手スーパーマーケットのBで販売されているアップルジュースと全く同じものです。

さらに、飲料メーカーである、大手Cのアップルジュースも全く同じ製品で、ラベルだけそれぞれ全く違うラベルを持っているというケースがあったとします。

これらは全て同じ工場が製造しているOEM商品であるということができます。つまりイメージ的には工場の生産ラインにある程度のマージンを支払って便乗させてもらい、完成品には自社のラベルを貼り付けて販売するといった販売手法がOEMというわけです。

OEM製品のメリット

それでは、このOEM商品には一体どのようなメリットがあるのでしょうか。

原則的にはOEM商品を販売する側は工場の設備をわざわざ持つ必要はありません。既に存在する製品に自社のラベルを貼り付けて販売するというわけですので、かなりのコスト削減を図ることが可能というわけです。

例えば新規に商品展開としてコエンザイムQ10という成分を配合した化粧品を販売したいと考えている化粧品会社は、通常であれば新規に商品展開をするためだけにコエンザイムQ10の化粧品を販売できるだけの工場や設備を整えなくてはなりません。

工場を作り、さらに工場で働く人材も確保しその上で生産ラインを稼働させるとなるとこれは大変な持ち出し出費がかかります。さらに、新規開発商品ということですからその商品が絶対に売れるかどうかという確証は全くない状態でチャレンジをしなければならないことになります。

これでは大変なギャンブルということになってしまいますので、ここで登場するのがOEM商品ということになります。OEM商品を作るとなると、現時点でコエンザイムQ10の化粧品を販売しているあるいは製造している工場に直接交渉を行い現在稼働しているラインで製品の生産量を増加させてもらい、その増加した部分に自社のラベルを貼り付けて販売させて欲しいと交渉するだけで良いのです。

こうすることにより工場を設立し人件費をかけ、外部からノウハウなどを購入してくる手間をかけることなく新規メニューとしてコエンザイムQ10の化粧品をラインナップすることができるというわけです。

さらに、この方法のメリットとしては生産量が比較的柔軟にコントロールできるという点にあります。

自社工場を作ってしまうと生産量を落とすわけにもなかなかいきませんが、OEM商品の携帯で生産を行えば、たとえ生産量を落とさなければならなくなった時に発注をストップすればそれで良いことですので、余計なコストがかからないということになります。

もちろんある一定の範囲での発注保証などは契約によって存在するケースもありますが、それでも自社で工場を立ち上げるよりははるかにコストを低く、そして安全性を高めた上で事業を展開することができるというわけです。

OEM製品のデメリット

それでは、OEM商品にはどのようなデメリットが存在するのでしょうか。こちらも確認していきましょう。

OEM商品については、その特性上自社の方で生産や商品管理に関するノウハウを蓄積することができません。商品開発及び商品生産の中で一番重要な工場でのやり取りや生産出荷に関する部分は全て外部委託という形で行うことになりますので、いつまでたってもこれらのノウハウを吸収することができないというわけです。

この辺りについてはやはり生産現場である工場が全てを握っていますので、生産を依頼した側としては特段情報を貰い受けることができないというわけです。

また最近はインターネットが発達しており口コミなどの拡散性が大変高いことから、せっかく発売した自社の製品がどこのOEM商品であるかということがかなり早い段階で公開されてしまう可能性も考えなくてはなりません。

またほとんどの場合、OEM商品の場合はその源となる商品が存在します。この商品はあくまでも後発という形で発売しなければならないため、価格競争やネームブランドという部分を考えると比較的販売価格や単価は抑えめにしなければならないケースがほとんどです。

さらに、品質向上という部分や様々なカスタマイズを加えるといった細かいことについても対応してもらうことが難しいケースがほとんどのため、こういった部分での自由度は相当低めになってしまうことが考えられます。

もしなんとしてでも今回販売しているOEM商品をアップグレードして自社製品としてウリ出したいということであれば、独自に工場を持つかあるいは製品開発などまた違うOEM商品業者にお願いしなければならなくなります。

まとめ

このようにOEM商品というのは様々な業界で最近聞かれるようになったキーワードですが、蓋を開けてみれば既にある商品の工場生産ラインに便乗させてもらうことで生産コストを落としながらも自社製品を生産販売することができるというシステムであることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

原則的にはOEM商品の場合は細かいカスタマイズなどをすることができません。しかし、その分だけイニシャルコストも低く抑えることができフットワーク軽く生産量も調整することができますので、よりスピード感が求められる商品開発をしなければならない時には大変強力な助っ人と言えるのではないでしょうか。

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