税金の納税や還付の手続きを行う確定申告。
一般的な会社員であれば会社が代行して納税してくれる(年末調整)ため、不要な方が多いのですが、一方で会社員でも
■ FX取引
■ 株取引
などで給料とは別に利益が発生すると、確定申告しなければいけない場合があります。

また、生命保険の満期返戻金などの
■ 一時所得があった
場合なども、確定申告をしないといけないのか、迷ってしまうこともありますよね。

そこでこの記事では、
■ FX取引や株取引と確定申告
■ 一時所得の確定申告
について、確定申告をしなければいけない状況や、また確定申告をしなかった場合についてまとめていきたいと思います。

FX取引と確定申告

最初に、最近取引する方も多いFXについて、確定申告の必要性などをまとめていきたいと思います。
まず、前提としてFX取引は株取引と違い特定口座などの制度がありません。
そのため、FX取引の場合は一定額以上の利益が発生すると必ず自分で確定申告する必要がありますので、注意してください。

FX取引で確定申告が必要な場合

FX取引での利益は雑所得となり、確定申告については
■ 会社員で、1月~12月の年間のFX取引の利益が20万円を超えた場合
■ パートやアルバイトで、1月~12月の年間のFX取引の利益が20万円を超えた場合
■ 専業主婦や無職などで給料がなく、1月~12月の年間のFX取引の利益が38万円を超えた場合
■ FX取引の損失した分を繰り越したい場合

の場合に必要となります。まとめると
■ 給与所得者の場合は年間のFX取引の利益が20万円以上
■ 給与所得がない場合は年間のFX取引の利益が38万円以上
がFX取引の確定申告の対象者となります。
特に、普段年末調整で納税を会社が代行してくれている会社員の場合、確定申告を忘れてしまいがちですので、気を付けましょう。

パートやアルバイトで、旦那さんの扶養に入っている場合は注意

パートやアルバイトで旦那さんや家族の扶養に入っている場合、給料については所得税や保険の関係で
■ 収入が103万円(基礎控除38万円+給与所得控除65万円)以上…段階的に給料に所得税がかかる
■ 収入が130万円以上…保険や年金の扶養から外れてしまうため、自分自身で保険と年金に入る必要がある

の、2つの範囲を気にして勤務されている場合も多いと思います。
ですが、パートやアルバイトの方で注意しなければいけないのは、
例え給料が上記の範囲の中にあったとしても、FX取引の利益が20万円以上となってしまうとFX取引の利益に対する所得税が発生し、確定申告の必要がある
と言うことです。

例えば、
・ パートの収入が50万円+FX取引の利益が30万円
の場合、給料の所得税の控除範囲には入っていても、FX取引の利益が20万円以上のため、FX取引で得た利益への所得税はかかってしまいます。そのため、確定申告が必要です。

もし、旦那さんの扶養に入ったまま、FX取引の所得税を払いたくない、と言う場合は
パートの給料を103万円以内、かつFX取引の利益も20万円以内とする…給料の所得税も発生しません
パートの収入を103万円以上~130万円以内、かつFX取引の利益も20万円以内とする…給料に対する所得税は段階的に発生します
のどちらかになりますので、注意してください。

FX取引の損失は確定申告で繰り越せる

FX取引の損失は、損益通算することによって3年間まで繰り越すことができます。
例えば、1年目は損失が出ていても、確定申告することにより2年目の利益から損失を差し引くことができるため、損失を繰り越すことで課税の金額を抑えることができます。
そのため、損失しか出ていない場合でも確定申告することをおすすめします。

FX取引の利益を確定申告しない場合はどうなる?

上記で解説したように、
■ 給与所得がある場合は、年間のFX取引の利益が20万円以上
■ 給与所得がない場合は、年間のFX取引の利益が38万円以上
であれば、確定申告が必要です。

もし、FX取引の利益が上記以上となるのにも関わらず確定申告を怠った場合は、重加算税や遅延税が罰則として課されます。
FX利益については、FX会社から税務署に対し、支払いデータの提出がありますので、無申告の場合は絶対にばれます。ですので、必ず確定申告は行ってください。

もし、勤務状況や利益の額に分からない点などがあり、自分が、確定申告が必要なのか不安な場合は自己判断せず、必ず税務署に確認しましょう。

株取引と確定申告

次に、株取引と確定申告についてまとめていきます。
株取引の場合、FX取引とは異なり利益が一定以上でも、確定申告を行わなくて良いケースがあります。

株取引で確定申告が必要な場合

株取引で得られる利益には
■ 配当所得…株式の配当金など
■ 譲渡所得…株式を売買した際に発生した利益
■ 株主優待
の3種類があります。

株取引の場合は、配当所得と譲渡所得を合算して、利益が
給与所得がある場合は、年間の株取引の利益が20万円以上
給与所得がない場合は、年間の株取引の利益が38万円以上
となる場合は、確定申告が必要です。

※株主優待については、雑所得として確定申告が必要な場合もありますので、税務署に確認してみましょう。

株取引で、自分で確定申告を行わなくても良い場合

株取引では、一定額以上の利益が出ている場合でも、確定申告を行わなくて良い制度が整えられています。それが、「特定口座」という制度です。

株取引では最初に証券会社で取引する講座を作成する場合、
特定口座(源泉徴収あり)
特定口座(源泉徴収なし)
一般口座

の3種類から選ぶことができます。
その際に、
特定口座(源泉徴収あり)
を作成すると、特定口座内での売却・解約・償還や損益通算に関して証券会社が源泉徴収してくれるため、確定申告が不要となります。
この場合、面倒な手続きは一切不要で確定申告もしなくて良いため、最近では大半の人がこちらを利用しています。

「特定口座(源泉徴収なし)」や「一般口座」の場合は、一定金額以上の利益が出ている場合や損失の繰り越しをしたい場合には確定申告が必要となりますので、注意してください。

もし、証券口座を作る際に誤って「特定口座(源泉徴収なし」や「一般口座」を作成してしまった場合でも、手続きすれば源泉徴収ありの特定口座に変更可能なので、証券会社に問い合わせてみましょう。

株取引も損失を繰り越しできる

株取引でも、取引の損失は、損益通算することによって3年間まで繰り越すことができます。
特定口座(源泉徴収あり)の場合は自分での手続きは不要ですが、自分で確定申告を行う場合は損失のみでも繰り越すことをおすすめします。

株取引の利益を確定申告しない場合はどうなる?

株取引においても、原則は
■ 給与所得者の場合は年間のFX取引の利益が20万円以上
■ 給与所得がない場合は年間のFX取引の利益が38万円以上
であれば、確定申告が必要です。
ただし、特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は、確定申告は不要です。

それ以外の口座を利用している場合で、上記の額以上の株取引の利益がある場合は、必ず確定申告しましょう。証券会社から支払調書が税務署に提出されるため、必ずばれてしまいます。
もし、株取引の利益が上記以上となるにも関わらず確定申告を怠った場合は、重加算税や遅延税が罰則として課されます。悪質な場合は逮捕されることもありますので、必ず確定申告を行ってください。

もし、自分が、確定申告が必要なのか不安な場合は自己判断せず、必ず税務署に確認しましょう。

一時所得を得た場合の確定申告

最後に、生命保険の満期返戻金などの一時所得を得た場合の確定申告について解説します。

一時所得とは

一時所得とは、
「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得」
を指します。

具体的には
・ 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
・ 競馬や競輪の払戻金
・ 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除く)や、損害保険の満期返戻金等
・ 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除く)
・ 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
とされています。
※会社を退職した際に得た退職金は「退職所得」となり、一時所得とは扱いが異なります。

一時所得の「所得の計算方法」と、「税額の計算方法」

一時所得にかかる税金は、まずは一時所得の所得額を計算し、次に税額を計算して、それをもとに算出します。

一時所得における所得額は、
■ 総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
で計算されます。

例えば、生命保険の満期返戻金の場合は、「収入を得るために支出した金額」には、それまでに支払った保険料が該当します。
そして、一時所得にかかる税額は、
■ その所得金額の1/2に相当する金額を給与所得などの他の所得の金額と合計して総所得金額を求めた後、納める税額を計算

し、確定申告する必要があります。
そのため、一時所得を得た場合には計算が複雑となります。
一時所得に関しては、確定申告の前に税務署や税理士に相談し、確定申告の準備をしてくことをおすすめします。

一時所得を確定申告しないとどうなる?

一時所得を得た場合も、得た所得が必要額以上であれば、必ず確定申告を行いましょう。無申告の場合、罰則として税金が加算されますし、悪質な場合は逮捕されることもあります。

まとめ

この記事では、FXや株取引、そして一時所得の税金についてや確定申告についてまとめました。
FX取引の場合は、一定額以上の利益があれば必ず確定申告をしなければなりませんので、忘れずに行いましょう。損失のみの場合でも、3年間までは繰り越すことが可能なので、確定申告はした方が良いです。

株取引の場合は、源泉徴収ありの特定口座を利用していれば確定申告を行う必要はありません。
ただし、源泉徴収なしの特定口座や一般口座を利用している場合で一定額以上の利益があった場合は確定申告が必要です。また、株取引も損失の繰り越しができるので、行った方が良いでしょう。

また、生命保険の満期返戻金や競馬の払戻金などの一時所得を得た場合も、確定申告が必要となるケースがあります。
一時所得の計算は複雑なので、もし一時所得を得た場合はあらかじめ税務署や税理士の相談の上、確定申告を行うと間違いがありません。

FXや株取引、そして一時所得のいずれの場合も、必要なのに確定申告を怠った場合は重加算税や遅延税などが罰則として課されます。悪質な場合は逮捕されることもありますので、必ず確定申告は行ってください。
確定申告が必要かどうか迷う場合は、必ず税務署や税理士に確認しましょう。