事業を展開すると一口に言っても様々な形態が存在することは言うまでもありませんが、その大きな違いの中に法人と個人というものがあります。

意外と、法人と個人のビジネスの違いがよくわかっていないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして実際に開業するのであれば、法人と個人どちらがおすすめなのかということも気になっているという方も多くいらっしゃることでしょう。

そこで今回は法人と個人の違いについて解説し、開業するのであればどちらがおすすめかという部分についてもご紹介していきます。

同じ事業をやっていても法人と個人には違いが

例えば同じ飲食店を経営していたとしても、法人と個人ではやはり大きな違いがそこにはあります。

同様にデザイン会社についても、以前は個人格で経営している方が多くいらっしゃいましたが、こちらも法人と個人では大きく違いがあります。

そもそも法人と個人というのはそれぞれどのような状況をさすのでしょうか。まずはここから見ていきましょう。

法人とは

法人というのは、基本的に株式会社、有限会社、合同会社、合資会社など、いわゆる法人格をもっている事業体をさします。ビジネスを行うにあたってこの法人格を最初に取得する方も多くいらっしゃいます。事業の目的によっては社団法人、財団法人、社会福祉法人など特別な法人格をもっているところもあります。

また、この中で有限会社については、2006年の会社法改正により新規に設立することができなくなりました。そのため、現時点で存在する有限会社は少なくとも10年以上の運営実績のある会社ということになります。

そして、法人格の最大の特徴は法人が1人の自然人として認識されるという部分です。

これはどういうことかと言いますと、例えば山田太郎さんが、株式会社山田太郎という社員が山田太郎さん1人の会社を設立したとします。

この場合、なんとなく、山田太郎さんが社長の山田太郎という1人会社なのですから山田太郎さんと株式会社山田太郎は同じでも良さそうなものです。

しかし、法人格は1人の自然人として認識されますので、山田太郎さんと株式会社山田太郎は2つの人格ということになります。これが法人の1番の特徴です。

また、株式会社などほとんどの場合、経営者は有限責任を負います。
つまり会社が万が一負債を抱えて倒産した場合に、会社の社長である山田太郎さんは自分が出資した範囲でのみ責任を負えばよいということになります。これを有限責任の原則と言います。

またこのように法人格を持っているということは、きちんとビジネスを行っているという形で認識されますので取引先からの印象も良くなる傾向にあります。

大きな企業になると取引先は法人に限定するといった規定がある所も存在し、このような場合は個人としては仕事を取ることができず法人格を持っていなければ仕事を受注することすらできないわけです。

このように1人の自然人として認識され、きちんとビジネスを行っているという形で対外的な印象も良いのが法人です。

ちなみに、従業員の雇い入れも可能ですし取締役会の設置も可能です。規模が大きくなれば大口の出資や融資を受けることも可能になります。これは個人にはまずできないことになります。

個人とは

対する個人はどのような方法でビジネスを行うことになるのでしょうか。

基本的に、個人というのは個人事業主のことを指します。

個人事業主は法人格とは異なり、例えば山田太郎さんが個人事業主としてレストラン山田太郎という飲食店を経営している場合、基本的にレストラン山田太郎と山田太郎さんは同一人物としてみなされます。

独立開業にあたっては特段煩雑な手続きなどもなく簡単に開業できるというメリットがある反面、どうしても社会的な信用度という部分では法人格の取得には劣ります。

そして、ある程度の規模の取引先になると個人事業主との取引を禁止しているところもあります。従業員を雇い入れることは可能ですが原則的に社会保険に加入させることはできません。

また、融資についても、個人事業主の場合はほとんど審査が厳しく、法人格を取得していた時の方がよりスムーズに融資を受けられるケースが多いのも事実です。

なお責任の範囲については、個人事業主は無限責任を負うことになります。つまり会社の事業に失敗した場合、個人事業主として活動していると降りかかってくる全ての債務を自動的に個人事業主が負わなければならないということになるわけです。

結局どちらがおすすめ?

このように法人格と個人事業主では様々な違いが存在するわけですが、結局ビジネスをやる上でどちらがオススメなのでしょうか。

これはどのくらいの規模のビジネスを行うかという部分や、社長さん個人がどれだけ裁量権を持ってビジネスを行いたいかというところに焦点があります。例えば、どんどん規模を大きくして従業員を雇い入れ、大口の融資も受けて事業をスケールしていきたいということであれば、法人格の取得が最重要課題ということになります。

ただし、その反面社長さん個人と法人格は別人ということになりますので、取締役会が決定すれば創業者であっても社長の職を辞任しなければならないケースも存在するということを覚えておかなければなりません。

そして、個人事業主の場合はそこまで大規模に事業をスケールしていくことはできませんが、いつまでも自分の裁量で自由にビジネスをできるという魅力があります。自分で生活していくだけの資金が稼げればそれで良いというような形であれば、個人事業主としてのキャリアを歩んでいくのでも問題はありません。

ただし、個人事業主は完全に無限責任のビジネスとなりますので、負債を抱える危険性がある業者の場合はそういった部分も考えて法人格の取得も検討するようにするとよいでしょう。

まとめ

このように法人と個人事業主では責任の限度や信用度に大きく違いがあることがわかりました。それぞれメリットとデメリットが存在しますので、これらの部分をよく検討して最も盤石にビジネスを進められるように方針決定をしていきたいところです。