個人事業主や自営業、フリーランスとして開業した場合でも、一般企業と同じように経費を計上することができます。
ただ、何が経費として認められ、何が経費として認められないのかは、悩んでしまうことも多いですよね。
また、経費を適切に計上したときのメリットを知らない方も意外と多いと思います。

そこでこの記事では、個人事業主や自営業、フリーランスの方において
●経費とは?経費と税金との関係
●経費となるもの
●経費とならないもの
●経費を計上するために注意するべきこと
など、経費の基本についてまとめていきたいと思います。

経費とは?経費と税金との関係

最初に、経費とは何か、そして経費と税金との関係についてまとめていきたいと思います。

経費とは?

経費とは、「事業を行っていく上で発生した、事業上で必要な費用」のこととなります。
例えば、物販の事業をしているなら仕入れた商品は経費になりますし、飲食事業であれば材料などは経費になります。
また、仕事を行う事務所などの家賃や、業務上必要なインターネット接続料金などの通信料も経費として認められます。そして自宅を事務所として利用している個人事業主や自営業の場合でも、家賃や通信料は経費として認められます。
その場合は、家賃や通信料を

  • 事業として使用している分
  • 個人の生活として使用している分

と分け(家事按分と言います)、事業として使用している分についてのみ経費として計上することになります。

事業に関係があり、事業を行う上で必要であれば、細かい金額でも経費とすることが可能です。しかし、事業に関係なく不必要であれば、いくら大きな金額でも経費として認められませんので、注意しましょう。

経費と税金の関係

「経費の処理が分からないし面倒だから、やりたくない…」
「経費を処理すると、何かメリットがあるの?」
そう思う個人事業主や自営業の方も多いですよね。
実は経費を適切に計上することにより、納税額を抑え節税することが可能なのです。

個人事業主の支払い義務のある税金は

  • 所得税
  • 住民税
  • 個人事業税
  • 消費税

の4つとなります。
個人事業主の場合は住民税と個人事業税は所得税に連動しているため、まず所得税を抑えると全体的な節税に効果的となりますが、適切な経費の処理により、所得税を抑えることができるのです。

詳しく解説すると、所得税の計算は
「収入-必要経費=課税所得金額」
で、算出された課税所得金額に税率を掛けて、課税控除を引いたものとなります。
なので、経費を適切に処理すると課税所得金額が減り、所得税が安く抑えられ、全体的な節税効果が高まるのです。

経費になるものと、ならないものの項目は?

「経費を多くすれば税金が安くなるなら、個人事業主の経費の線引きはあいまいと言うし、何でも経費として処理してしまおう」
中にはこんなずるいことを考えてしまう方もいるかもしれませんが、それは大きな間違いです。

経費でないのに経費を計上し、税務署から否認された場合は修正申告などをしなければいけません。また、経費が不自然に多すぎる場合などは、税務調査が行われる場合もあります。
不正が発覚した場合は税金が加算される場合もありますので、やめましょう。それに社会的な信頼を失うことにもつながります。

ですが、個人事業主や自営業の場合、経費の線引きがあいまいというのは事実です。
なぜかと言うと、業種によっては事業として必要なものというのはそれぞれ異なってくるため、線引きが難しいことが多いからです。
だたし、一般的に経費として認められるものと認められないものはだいたい決まっており、これからまとめていきますので参考にしてみてください。
※経費の計上として迷う部分があれば、勝手な自己判断はせず、必ず税理士や税務署に確認しましょう。

個人事業主で一般的に認められる主な経費項目

最初に個人事業主や自営業で一般的に経費として認められる主な項目についてまとめていきます。
※この項目に該当したとしても、自分の事業に必要でなければ経費として認められませんので、ご注意ください。また、書いているのは税に関しての専門家ではありませんので、迷う場合は税理士や税務署などの専門家にご相談ください。
・売上原価…仕入れや原材料など
・租税公課…個人事業税、固定資産税、自動車税、不動産取得税など
・地代家賃…事務所の家賃など(家事按分可能)
・水道光熱費…電気代やガス代など(家事按分可能)
・通信費…インターネット接続料金、プロバイダ料金、電話代(家事按分可能)
・広告宣伝費…パンフレットやカタログ、名刺など
・新聞図書費…業務上必要な新聞や書籍費用など
・外注工賃…外部に業務委託した場合の費用など
・荷造運賃…商品の発送や梱包費用など
・旅費交通費…業務上で利用した電車や飛行機代、出張費用など
・接待交際費…業務上必要な会食費、菓子折りなど
・損害保険料…事務所や事業用の車などに掛けられる、掛け捨て保険料など
・修繕費…事務所や事業用の車の修繕費など
・消耗品費…コピー用紙や文房具代など
・減価償却費…10万円以上の備品など
・福利厚生費…自分や家族以外の従業員に対する社員旅行費など
・給料賃金…従業員などに対する給料など
・利子割引料…事業として借入した場合の利子など
・貸倒引当金…取引先が倒産した場合の売掛金など

このほか、取引先への慶弔費なども経費として認められることがあります。

個人事業主の経費として認められない一般的な項目

次に、個人事業主や自営業で一般的に経費として認められない、主な項目についてまとめていきます。
※この項目に該当したとしても、自分の事業に必要であれば経費として認められることもあります。書いているのは税に関しての専門家ではありませんので、迷う場合は税理士や税務署などの専門家にご相談ください。

・個人事業主自身の給料
・個人事業主自身の税金…住民税や所得税など
・個人事業主自身の健康診断費など
・個人事業主自身の福利厚生費など
・個人事業主自身が使うスーツや靴など…作業着などは経費計上可能な場合もありますが、スーツなどは私的利用もできるため不可
・購入価格が10万円を超える備品など…固定資産として減価償却費として計上します
・家庭で使った家賃や水道光熱費…家賃や光熱費など、事業以外で利用した分は経費になりません

などが挙げられます。
基本的には、事業に関係なく、不必要なものは全て経費とはなりません。
また、個人事業主自身の給料や税金、福利厚生費なども経費としては認められませんので、注意してください。

経費を計上するために必要なこととは?

経費を計上するためには、事業に使ったという証明が必要になります。
特に個人事業主の場合、きちんとした証明がないと個人的に使用したと見なされ、本来なら経費に計上出来るのにも関わらず、認められないという事態になりかねません。
それでは、経費はどのように事業として正当に使ったと証明すれば良いのか?を、まとめていきたいと思います。

領収書やレシートなどの書類を必ず残しておく

経費として何かを購入、利用した場合は領収書やレシートは必ず残しておきましょう。
レシートは品名などが明確なので良いのですが、領収書の場合は、宛名はきちんと個人名もしくは屋号(どちらでも問題ありません)、但し書きには「お品代」よりも、きちんとした品名や品数なども書いてもらうと良いでしょう。
きちんとした品名を書いてもらうと、自分でも思い出しやすいですし、もし税務調査などがあった場合にも分かりやすいです。
宛名は上様やお品代も間違いではありませんし、急いでいるときなどは便利なのですが、細かく記載しておいた方があとあと便利です。

レシートや領収書がない場合はどうすれば良い?

店舗などで購入し、レシートや領収書を発行してもらえる場合は良いのですが、インターネットで購入した場合や、フリマアプリなどで個人間でやり取りした場合はレシートをもらえない、という場合も多いですよね。
また、電車代や慶弔費などもレシートは出ないですし、レシートをもらっても誤って紛失してしまうこともあるかと思います。
その場合の対処法についてまとめていきます。

1、納品書や請求書がある場合は、レシートや領収書の代わりとして良い
納品書や請求書がある場合は、レシートや領収書の代わりとなりますので、残しておきましょう。

2、納品書などもない場合は、自分で出金伝票を起こす
電車代や慶弔費など、レシートや領収書、そして納品書も出ない場合は自分で出金伝票を起こします。
出金伝票は文房具店や100均などにも売っており手軽に購入できます。
フリマアプリなど個人売買で購入したものを経費としたい場合も、出金伝票を起こすと良いでしょう。3万円以上の高額の場合は、出金伝票と合わせ、日時や金額が分かる画面をプリントアプトして添付しておくと尚良いです。

出金伝票が多すぎると要注意

レシートや領収書がない場合は出金伝票がその代わりとなるのですが、だからと言って出金伝票ばかりになると、不自然なので税務調査が入る場合があります。出金伝票が自分で書くことができるためです。
経費の証拠書類はレシートや領収書、納品書などが基本となります。
出金伝票はやむを得ない場合のみにし、多すぎないように注意しましょう。

まとめ

この記事では、個人事業主や自営業の方の経費についての基本をまとめました。
個人事業主や自営業の方でも、適切な経費処理で節税することが可能です。
しかし、個人事業主や自営業の経費には、認められるものと認められないものがあり、何でも経費にできるというわけではありませんので、注意してください。
記事中に、個人事業主が経費として認められる項目と認められない項目の代表的なものをまとめていますので、参考にしてみてください。
また、経費として計上するには証拠となる書類も必要ですレシートや領収書はしっかりと管理し、公共交通機関を利用した場合は、出金伝票を作成するなどし、日ごろから経費について意識しておきましょう。