独立開業というキーワードを聞くと、心躍る方も多くいらっしゃることでしょう。

それくらい独立開業、つまりビジネスを自分で起こすというのは非日常の体験でもあります。
非日常の経験である、ということはそれだけ通常の時よりも自分が異なる状況にあることに気づきにくいものです。

もっとわかりやすく言うと、独立起業をしているのになんとなく「ダサい」ビジネスマンになってしまっている可能性があるということです。

そこで今回は、独立開業の時こそ気をつけたい、ダサいビジネスマンにならない方法をご紹介していきます。

今現在独立開業されている方で心当たりがある方は、今すぐにでも改めるようにしましょう。

最低限社会のマナーは勉強する

まず、1番最初のポイントとしてあげられるのが「最低限社会のマナーは勉強しておく」ということです。

営業経験者であったり様々な会社に所属してビジネスマンとしての経験が長い人であれば、さほどこの部分は問題にはなりませんが、学校を出てすぐにどこかの会社に所属することなく独立開業を目指すという方については、最低限社会のマナーについて勉強しておいた方が良いです。

よく「型破りな起業家」としてもてはやされるケースもありますが、原則これらの起業家さん達についても、最低限世界のマナーはきちんと勉強しており、挨拶などができるので取り上げられているのです。

最低限の社会のマナーがなければ独立開業してやっていくことはかなり難しいです。特に、学生発のベンチャー起業の社長さんなどは注意しておきましょう。

名刺交換のマナーぐらいは勉強しておく

最低限のマナーとして、名刺交換のマナーぐらいは勉強しておこう。
これも「最低限社会のマナーを勉強しておいた方が良い」という部分と関連しますが、名刺交換というのはビジネスマンが初対面の時に必ず行うものであり、この名刺交換でお互いに様々な情報を得ることができるものです。

例えば名刺を渡す時にどのようなタイミングで名刺を渡すのか、そして、自分から渡すべきか相手から渡してもらうのを待つべきか、複数人対複数人の名刺交換の時はどのようにすればよいか、など、今の内容をパッと回答できないようであれば、ケーススタディのような形で名刺交換のマナーを勉強しておきましょう。

この名刺交換がうまくできていなかった瞬間に、どんなに優れたビジネスプランを持っていてどんなに優れたビジネスセンスを持っていたとしても社会人からは残念ながら認められません。

さらに、名刺交換の場というのは一種のアイスブレイクのような瞬間でもあり、ここで相手と距離感をはかることになります。

この時に使用する会話術などについても、きちんとマスターしておかなければ自分の有利な話を進めることもできませんし、もっと言ってしまうと、相手になめられてしまいます。

初々しさがあるということとマナーがないということは決して同じではありません。

領収書の書き方も1度確認しておく

さらに、起業家たるものお客様から最初のうちは直接何かしらのお代金をいただくというシーンも必ずやってきます。

ここで忘れてはならないのが領収書の書き方です。

先ほど領収書の書き方についても、少し触れましたが、改めてご紹介します。

よくビジネス経験がない状態から起業した方については、領収書の書き方を知らないという方がいますが、これは言語道断です。

インターネットがない昔の時代であればともかく、今の時代インターネットで調べれば勉強することができます。

場合によっては、領収書の書き方の丁寧な写真や図解、あるいは動画でのレクチャーもあるでしょう。

これらのリソースを最大限に使って、お客様からいただく大切なお金にまつわる書類の記入方法などについては、きちんと勉強しておきたいものです。

昔は「領収書の書き方ひとつからお客さんに教わってきた」というのも、起業家の武勇伝のひとつでしたが、今はそのような時代ではありません。

領収書の書き方も分からないということであれば、完全にお客さんに舐められてしまいますので、よほど「わからないふりをしている」など高等戦術を使っているのでなければ、第一号のお客さんに対しても「普段から領収書を書き慣れていますよ」というような雰囲気で記入をできるようにしておきましょう。

すぐに自分の自社ノベルティを作らない

起業家あるあるの最たるものが、すぐに自分の会社の自社ノベルティを作るというポイントです。

名刺くらいまでならまだ問題はありません。

むしろ、名刺はどんどん使っていきたいものですから、これは今回取り上げるような自社ノベルティに当たりません。

問題なのは、よくある会社のステッカーやキーホルダー、あるいはペンなど、ありとあらゆるものを自分の会社のロゴにしてすぐに製造し、そして、周辺に配りまくるという行為です。

これは自分の会社のロゴができたこと、あるいは自分の組織ができたことを何とかPRしたいということで配るのですが、その中には起業家の心理として「自分はすごいんだぞとPRしたい」というものもあります。

気持ちは痛いほど分かりますが、このようなことをしていると「会社に中身が伴っていない状態でノベルティを作っている、浮かれている」と受け取られ、周囲からイタい起業家として見られてしまうことも考えなくてはなりません。

目安としては、やはり固定のお客様がある程度いらっしゃる状態で「普段のお礼です」という形で配るというような形で行くとよろしいでしょう。

間違っても売上がゼロ円で、お客様もゼロの状態からこのようなノベルティだけ大量に作るというのは、あらゆる方面から考えて避けてください。

エアー神輿を担がない

よく、会社という組織を「みんなで担ぎ上げるお神輿だ」という表現をする先輩起業家の方やシニア世代のビジネスマンの方がいらっしゃいます。

これはよく、わかります。

実際問題、会社組織というのは会社の組織ごと自分たちで担ぎ上げて世間にPRするというのも、時には必要な戦術です

しかし、この神輿というのはきちんと会社という事業、売上、さらに、固定のお客様など中身の伴ってこそのものです。

売上も出ておらずお客様についても固定のお客様はついておらず、さらには、会社の事業もまだうまく固まりきっていないという時に「とにかく、会社を作りました」

と言ってみんなでお神輿を担ぎあげてしまうと、結局何の会社かよくわからないということで周囲の不信を買ってしまうことも十分にありえます。

特に、学生起業家の方については、この辺りを十分にご注意いただきたいところです。
つまり若い起業家あるいはその集団が陥りやすいのが、このエアー神輿を担いでしまっているということなのです。

自分より下の人ばかり相手にしない

根本的な事を1つご紹介します。

会社を作る、そして、事業を運営する、さらには、社長さんになるということは決して学問だけでなんとかなるものではありません。

勉強ができているから、大学できちんと経営の事を学んだから、といって必ず事業が成功する、というわけではもちろんありません。

会社を運営するということはお金の勘定はもちろんのこと、やはり人当たりの部分で人生経験を積んでいることが求められます。

そして、会社を作りたて、あるいは起業家になりたての社長1年生の方々はとにかく、自分のレベルより下の人ばかりを相手にする傾向にあります。

会社員から脱サラして起業された方については後輩であったり自分がもともと所属していた会社の子会社やその取引先を相手にする傾向がありますし、学生起業家の方については、その傾向が顕著に表れ、学校の後輩や同級生であまりそういったビジネスに詳しくない方々、あるいは身内などとにかく、自分が相手より優位に立っていると思う人ばかりを相手にしてしまうのです。

これはこれで居心地は良いでしょうが、ゲームで言ってしまえば、RPGの序盤の街でとどまり続けていつまでも次のステージに進まないような状況です。

実際に先輩の起業家の方や大手起業のビジネスマンの方々とお会いする機会というのは新人起業家として少し売り出せば、いくらでも転がり込んできます。

特に、お若い社長さんであればなおさらです。

そして、ほとんどの場合先輩の起業家の方など、自分よりはるかにレベルが上の方々とお会いすると最初のうちはまず、話が合いません。
何を話されているのかもよく分からないというケースもあるでしょう。

しかし、これが修行となります。

最初のうちは歯が立たなくて当然です。

彼らとは知識も経験も技術も全く違うのですから、なんとしてでも自分よりステージが上の人達に食らいついていく、という精神を持ち続けることが重要です。そうすれば、気が付いた時にはトークスキルも営業のスキルも、そして、考え方も一流のものが身についていることでしょう。

起業=エライわけではないと知る

これは年齢を問わずどの世代の方にもあり得ることですが、社長になる、あるいは事業を起こすということは決して偉い、というわけではありません。

会社を作り事業を始めること、そして、社長さんになることというのが必ずしも最初から偉いかといえばそうではありません。

そんな雰囲気を出していては、人はすぐに離れていきます。

「気がついたら周りに誰もいなくなっていた」では、起業家失格です。

むしろ、会社を起こして代表になるということは、最初の1年から2年はそれぞれ元々の所属のアイデンティティあるいはネームバリューを借りているに過ぎません。

学生さんの場合は、その学生というブランドが、脱サラの方は、元いた会社のブランドがそれぞれアイデンティティとなります。

むしろ、会社を起こした社長さんというのは副次的なアイデンティティでしかありません。

何しろ会社を作った直後は実績もありませんし、知名度もありませんから、これは当然のことです。
これらの会社や学校が守ってくれるというアイデンティティはせいぜい有効期限2年から3年です。

特に、学生起業家の方は学生起業家を名乗れているうちはバンバン仕事もあってちやほやされるものですが、学校を卒業した瞬間に仕事がぱったりと来なくなるという瞬間を経験することがほとんどです。

お客様からきちんと自分の事業を認めていただき、さらに、社長さん自身を認めていただけるようにこの有効期限内に出来る限り努力をしなければならないのです。

理解されない=自分の能力不足ということを理解する

大変意識の高い事業を起業したにも関わらず周囲の理解が得られない、あるいはよくわからない事業をやっていると言われる、さらには、親族などから「そんな危険な仕事を辞めて安定性のある仕事に就職したらどうだ」などと言われるというのは、どの起業家でもあることです。

さらに、そのようなことを言われて気分を悪くしたり腹を立てたりするというのも、おそらくほぼ全ての起業家が経験していることではないでしょうか。

机上の空論だけで事業を展開する人あるいは、展開しようとしている人については、どうしても理詰めあるいは理論だけで相手を納得させようとしがちです。

それに失敗すると、この人たちは自分の高い意識を理解してくれない、と切り捨ててしまいがちですが、これは逆です。

自分が切り捨てているのではなく、相手に切り捨てられているということです。

理解されないということは決して自分のレベルが高すぎるのではなく「自分の説明するという能力が不足している」、ということを理解しなくてはなりません。

基本的には、A4用紙1枚に自分の事業を全て集約できるようなシンプルさを持っていなければ、そして口頭で5分程度で自分の事業について語れなければ、完全に自分の事業を理解し、自分のものにしているとは言えません。

きちんと万人に理解してもらえるような事業プレゼンを行えるだけの力を身に着け、そして、世の中には多種多様な人がいることを理解する、ということが社長さんとしての第1歩となります。